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2022.08.25
MEDIA
三菱商事ファッション 23年春夏向けOEM・ODM高度化 多機能素材を訴求 供給網の改善など提案
繊研新聞 2022 年 8月 23日付
高度化したOEM・ODMの仕組みをアパレルやシューズ領域などに提供する
三菱商事ファッションは、23年春夏向けのOEM・ODM(相手先ブランドによる設計・生産)で、オリジナルの多機能素材やデジタルサプライチェーンマネジメントによるOEM・ODMの高度化を進める。
(北川民夫)
同シーズン向けの展示会で打ち出した。メインテーマは「バランス・オン(均衡のとれた調和)」。「ファッションと機能、デジタルとアナログの世界、自然と人工的なものなどを調和、融合する」ことで新たな価値観を提案した。
製品ラインナップは①トレンドガーメント②インティメイトガーメント③ファンクショナルガーメントで構成。トレンドガーメントでは、細やかで抽象的な花と植物柄を全面に配したステンカラーベストドレスを出した。レーヨン・ポリエステル複合のしなやかなドレープ性とシワになり難い物性が特徴だ。ポリエステル・マルチファンクションツイルのジョガーパンツも人気だった。リラックスしたデザインでありながら、透け防止や吸湿速乾、イージーケア、紫外線遮蔽(しゃへい)などを有する機能を発揮する。
インティメイトガーメントでは、ポリエステル・ポリウレタン複合で足が動きやすいスポーツタイプの吸水ショーツなどを見せた。ファンクショナルガーメントは、ブルゾンなどアウターウェアやスカートなどに、防炎・防融機能素材「ディアフレームテクト」や、防水透湿素材「ディアライト」、防水透湿・低結露機能記憶素材「ディアプレックス」を使用する。
アウトドアウェア向けに訴求したのは「ディアマジックダイレクトプラス」。耐久撥水(はっすい)・撥油機能に加えて、衣料に付着した花粉が落ち易い〝花粉リリース性〟や、泥はね等の泥水汚れが付きにくい〝泥避機能加工〟を付与した付加価値素材として差別化する。
新商品「ディアプレックスディフュージョン」も打ち出す。ウレタン系形状記憶ポリマーの技術をベースに〝温度反応記憶機能〟を持たせた高機能素材のディアプレックスを、海外を拠点に開発して更なる市場拡大を目指す。
三菱商事ファッションは、3D・CGデジタルスキームを活用して、企画から生産までの一貫したサプライチェーンの変革を促す「e-Apparel」(イー・アパレル)を提案する。同社は「OEM・ODM領域において、企画・デザインとデジタルファブリック、3D・CG、OEM取引などを包括するシステムの完成形にたどり着いた」と強調。サンプル作成時の3Dモデリングをプロモーションにも使用することで、3D・CGを活用しながらフロー全体での業務効率化と各工程の可視化を可能にした。この仕組みをアパレルやシューズなどの領域向けに提供し、市場拡大を図る方針だ。
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