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2022.03.01
MEDIA
三菱商事ファッションなど3社 デジタルSCM構築で提携 靴分野で製販DX推進
繊研新聞 2022 年 2 月 28 日付
三菱商事ファッション、アキレス、靴専業OEM(相手先ブランドによる生産)のライフギアコーポレーションは、靴のデジタルサプライチェーンマネジメント(SCM)の構築に向けたアライアンス契約を締結した。3社は靴のサプライチェーン上にデジタルコンテンツ(3D画像)を活用した物作りの在り方を追求し、靴業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する構えだ。(北川民夫)
23年春夏シーズン対象商品から、アキレスの企画・販売、ライフギアコーポレーションの製造調達機能、三菱商事ファッションの3D・CGをはじめとするデジタル技術など、各社の得意分野を融合した協業を進める。従来の靴製造の工程にデジタル技術を活用することで、業務の効率化、工程の短縮だけでなく、消費者の靴の選び方・購買などの変化を促進する。「サプライチェーン上の環境負荷を下げることでSDGs(持続可能な開発目標)への貢献も果たす」(三菱商事ファッション)考え。
3社の具体的な役割・機能分担は、アキレスがデジタルコンテンツ(3D画像など)作成に必要な物品、図面、情報の提供を行う。企画・製造・販売などサプライチェーンの各工程におけるデジタルコンテンツ活用方法の模索とニーズの共有も行う。ライフギアコーポレーションは、生産コミュニケーション窓口となり、靴のデジタルコンテンツ作成精度向上のために必要となる、靴の構成要素・構造・製造工程に関する各種指導、アドバイス及び生産工場へ指示を担う。三菱商事ファッションは、企画情報などを元にした3D画像や動画などのデジタルコンテンツの作成。デジタルコンテンツ作成に必要な複数のソフトウェア探索と取得、およびその活用技術の習得を担当する。
今回のアライアンスによって①企画から販売におけるサプライチェーンの業務効率化②ラスト(靴型)・アウトソール・アッパーなどのデジタルデータ管理(3Dデータの可視化)③現物サンプルの削減・オンラインでの確認④試売・予約販売などによる消化率向上⑤オンラインによるフィッティング・レコメンドの実現などの効果がある。
三菱商事ファッションはライフギアコーポレーションとの協業で、ラスト起点の3D・CGスキームを確立し、業界に向けて実装している。同スキームは三菱商事ファッションが得意とするデジタル技術と、靴作りの匠の技を融合して構築したもので①ラストスキャン②3Dモデリング(企画用)③簡易CG(展示会用)④EC用CG(販売用)で構成。3D・CGによる製作では、デジタルで靴に使用する素材選定を行い、ラストに沿ってアイレットやステッチ、靴ひも、アウトソールなどが3Dを生かした奥行きのあるデザインで表現される。
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