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2020.12.17
MEDIA
三菱商事ファッション 進化する3D・CGスキーム デジタル展示会ツールなど
繊研新聞 2020年12月17日付
三菱商事ファッションは製品OEM・ODM(相手先ブランドによる設計・生産)の試作反やサンプル縫製を不要とする「3D・CGデジタルスキーム」で新機能を開発、21年春夏向けから販売に入る。
開発したのは①デジタル展示会ツール②デジタルフィッティング③アニメーション技術。3D・CGデジタルスキームの第2弾だ。「クライアントニーズをもとに、内製化によって独自開発した。アパレル業界にとってデジタルはシステムではなく、カルチャーと位置付けることで機能開発が進む」(谷本広幸デジタル事業推進本部デジタル事業開発部長)としている。
デジタル展示会ツールは、ECサイトのレイアウトで画像の回転や動画、テキスト情報のほか、アニメーションやフィッティング機能を持たせ、カスタマイズもできる設計。コロナ禍でリアル展示会が開けず、「3D・CG技術とセットでデジタル展示会のコンテンツが欲しい」というクライアントの声に「素早く対応した」。
3D・CGデータをオンラインで可視化し、サンプル作成を最小限にとどめ、アパレル企画のラインナップを「いつでも、どこでも閲覧できる」特徴がある。
デジタルフィッティングは3D・CGデータの活用で、トップやボトムなどを組み合わせたコーディネートが確認できる。顔入りアバターとマネキンの2タイプある。画像を最大4方向に回転でき、1~4方向までカスタマイズが可能だ。店頭でのコーディネートの指示や在庫品との組み合わせなどに利用できる。
アニメーション技術は3Dモデリングデータを動かす機能。3Dモデリングに生地スキャニング技術を付与し、オンライン上で着る素材を瞬時に変更できる。カメラ位置を限定せず「リアルなファッションショーの再現も可能」だ。生地の風合いやドレープ性、膨らみ感などを精緻(せいち)に表現し「実物のアパレルとほとんど変わらない」という。
「業界改善のためにも商社が3Dモデリングを流行で終わらせてはいけない。CAD(コンピューターによる設計)や3Dモデリングのその先に何ができるかを引き続き考え、三菱商事ファッションのデジタルツインの完成を目指していきたい」(谷本部長)としている。
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