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2021.05.07
MEDIA
三菱商事ファッション 環境配慮型DtoCブランド「ナギエ」好調 自社運営のノウハウ生かしてODMに活用
繊研新聞 2021年5月7日付
三菱商事ファッションは、今春から自社ECで立ち上げた環境問題に配慮したDtoC(メーカー直販)ブランド「NAGIE」(ナギエ)が、当初計画を上回る好調な販売となっている。同社は自らブランドを運営することで、そこで得たノウハウを生かし、外部のDtoCブランドに向けたOEM・ODM(相手先ブランドによる設計・生産)に活用するなどして、商社としての取引先の拡大につなげる。(北川民夫)
ナギエのコンセプトは「限定受注生産」「リサイクルシステム」「グッドフォーマインド」の三つ。限定受注生産では、製品在庫を原則持たない小ロット短サイクル対応で顧客ニーズに応えながら余剰生産を抑える。
リサイクルシステムの構築では、製品作りから梱包(こんぽう)、不要になった製品の回収に至るまで、資源の循環を目指す。リサイクルは業務提携先の日本環境設計と連携する。グッドフォーマインドは有力ブランドのOEM(相手先ブランドによる生産)で培った経験を生かした製品企画を打ち出す。
商品はメンズ、レディスともに再生ポリエステルなどのリサイクル素材に速乾、撥水(はっすい)などの機能性を付加したアイテムが主力。ビジネス用途の商品と、スポーティーな商品の2軸の企画で「コロナ禍以降に広がるオンオフをミックスするスタイリング」に対応する。
ブラック、ホワイトをベースに、差し色でカーキ、ベージュを使うミニマルな色使いで、ディテールにこだわったパターンのデザインを重視する。パッカブル仕様のジャケットは、利便性の高いサイドジップポケットや、着心地の良いシームテープ(縫い目に貼っているテープ)使いの仕立ての良さにもこだわっている。
メンズテーラードジャケット(税込み2万7500円)、前後に多数のポケットを備えた収納力の高いブルゾン(2万900円)。レディスはパッカブル仕様でありながらフォーマルシーンにも対応するダブルブレストジャケット(2万6400円)などがある。
同社は「全体的に好調だ。なかでも、比較的サイズをルーズに着用できるアスレチック商品が販売を伸ばしている」として、メンズではスリムジョガーパンツ(1万4300円)、レディスはフロントスリットパンツ(1万6500円)などがヒット。サステイナブル(持続可能な)を切り口にした機能性とストレッチ性を持つボトムアイテムが人気」としている。
主力客は20~40代の環境問題に対して高い意識を持つ層に設定。3月には東京・原宿に期間限定店を設け、リアルなタッチポイントを設定してファン拡大を図った。インスタグラムや動画コンテンツのほか、ブランドのコンセプトに共感するインフルエンサーなどによるSNSを通じた発信も強化する。
三菱商事ファッションは今後、ナギエを通じたBtoC(企業対消費者取引)に加えて、「素材活用や生産背景に〝相乗り〟できる事業者を求めている。ナギエで使用する開発素材や生産背景の横展開を生かしたBtoB(企業間取引)を通じて事業規模の拡大を目指す」方針だ。
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